住人十色
世の中に同じ人間が二人存在するということはありえません。誰でも知っていることですよね。
似ている人はいっぱい存在すると思いますが、完全に一致しているという人は存在しませんよね。
趣味や趣向が似ていたり、年齢や性別が一緒とか血液型や生まれ月が一緒ということはあると思います。
でも、親も違えば住んでいる場所も違う。友達も違えば兄弟や親戚も違う。
生まれ持った能力も違いますよね。成長過程も違うのが当たり前です。
当然、「同じ人間」が存在するということが不可能ということになります。
みなさんは、それぞれ「違う人間」ないので、生活パターンや生活の仕方も違っていて当たり前だと思います。
似たところはあっても、少しずつ違う要素が集まっているので最終的に「違う人間」となります。
そんな、人と違う要素ばかりを持った人達が住む家ですから、人と違う住み方をしたくなって当たり前だと思います。
人と違う住み方をするには同じ家だと、どこか「ぎこちない家」となってしまうと思いませんか。
「その人に合った家」はやはり、その人だけのオリジナルな家となると思います。
アパートなどに住んでいる人もいらっしゃると思います。アパートは多くの人が住み易いだろうと思われる造り方がされています。(例外あり)
でも、「なんか住み難いな」とか「なんか不便だな」と思うところはありませんか。思って当たり前です。それは、あなたに合った家となっていないからです。
そして、あなたが自分の生活をアパートに合わせているので住み難いのです。
「住人十色」は、文字からもわかるように、十人いれば十の違いがあるという意味です。
人それぞれで、違いがあるということを認識しましょう。そして、違うところを探すのではなく、自分の生活スタイルを見つめ直しましょう。
自分がどんな生活を日々送っているのかを考えることで、あなたに合った家の「本質」を見つけることができます。
その本質を大事に家の造り方を考えることによって、あなたに合った家を造ることがはじめて可能となります。
家を建てようと思うと、綺麗な外観や内装に目が行き易いと思います。でも、家を建てる本当の意味はなんでしょうか。
住み易く、使い易く、落ち着ける雰囲気の家を建てたいのではないでしょうか。そうでないと家に居る事で疲れてしまいます。
基準プランから家を選ぶことは止めましょう。それよりも、どんな部屋がどんな理由で必要か。どの程度の広さが必要で、その部屋で何をするのか。又、収納量などはどうかなどを生活に合わせて考える必要があります。
自分では気が付かない生活の仕方をしているということがあります。
私は何人も、建主が気が付かないライフスタイルをアドバイスしてきました。
そんな経験の中からの話ですが、「自分の生活の仕方は本人が一番わかっていない」です。
本当は一番わかっているはずの、建主が一番わかっていないというのが現状です。
専門家に「生活スタイルの分析」をしてもらうのも、家造りには大切なことだと思います。
自分を見つめ、自分の生活スタイルを見つめ、家族の生活スタイルも考慮しながら家造りを考えましょう。
自分との対話が自分らしい家造りには必要不可欠となります。
●これから家を新築する方へ
新居を考える前に、今の生活の見直してみましょう。どんな生活をしているのか。どういう生活をしていくのが良いのかを、シュミレーションしてみましょう。
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは各部屋ですることを箇条書きにすることです。つまらないことでも細かく拾い出します。そして、その各部屋で行うことを新居の平面プランの中で疑似体験してみて下さい。
今まで、気が付かなかったことが次第に見えてきます。
|